手帳の使い方インタビュー第107回目はあんずだいふくさんです。2019年の手帳は、ほぼ日手帳weeks MEGA、自作手帳のMDノート、ムーンプランナーwith、トラベラーズノートに決めたそう。あんずだいふくさんに手帳の使い方や楽しむコツなど活用法を教えていただきました♪
あんずだいふくさんのプロフィール
- HN:あんずだいふくさん
- 年齢:アラサー
- 仕事:学生(大学院生)
- 運営ブログ:Days with Writing, part 2.
―あんずだいふくさんの自己紹介
こんにちは、はじめまして。あんずだいふくと申します。
2011年ごろからうつを患い、休学と療養を挟みながら、現在は博士課程の大学院生として勉学に励んでいます。うつ持ちなのでペースがかなりゆっくりなのですが、論文完成に向け頑張っています。
手帳との出会いは高校生の頃に使っていたミッフィーの手帳でした。この頃はまだテスト期間を書いたりするだけで、本格的に使い出したのは大学に入ってからです。
あんずだいふくさんの『手帳の使い方』は?
―では、インタビューのスタートです。2019年の手帳は何を選びましたか?
・ほぼ日手帳weeks MEGA、¥2000くらい、ロフトのネットストアで買いました。
・自作手帳として
MDノート10周年記念のドット方眼ノートA5サイズ、¥800くらい?、近くの大きな書店の文具コーナーで買いました。
・ムーンプランナーwith、¥900、ムーンプランナー公式オンラインストアで。
・トラベラーズノート、本体を買ったのは数年前で、今はドットノートを買い足して使っています。大きな書店で買っています。
―『ほぼ日手帳weeks MEGA』に決めた理由は?
ほぼ日手帳weeks MEGAは、1冊で完結できるところが気に入っています。weeksは出会ってから毎年買っている相棒に近い存在です。
年間と月間、週間があって、メモページもたくさんついているので、毎日のログとタスクはメモページに書いて、月間・週間は予定とタスクを書くという使い方にぴったりでした。さらに大きさも長財布くらい、メガなのでページ数が多いですが、トモエリバー紙なので比較的コンバクトに収まってくれます。
―『自作手帳のMDノート』に決めた理由は?
自作手帳のMDノートA5は、紙質が好きなことと、手に入りやすいことから決めました。ほのかなクリームの紙色がどんなインクでも見やすく、書きごごちもよかったです。
―『ムーンプランナーwith』に決めた理由は?
ムーンプランナーは2018年から使っています。買った理由はその当時、研究が全く進まず、新しい計画と実行のシステムを構築したかったためです。
現在は基本的にはムーンプランナーで計画を立てて、weeksの月間と週間に落とし込むように使っているので、なくてはならない手帳になっています。
Withにしている理由は、スリムの1日の幅が使っているココフセンカードのサイズにぴったりなことと、下にメモ欄があるので、小さい文字であれば、たくさん書き込むことができるからです。
―『トラベラーズノート』に決めた理由は?
トラベラーズノートは2017年から使っていますが、綴じ手帳で、ノートを分けられるところが気に入っています。クラフトファイルやジッパーケースも挟み込むことができるので、一緒に使うシールやカードを入れています。皮のカバーでチャームなどでアレンジできるところもポイントが高いです。
―過去に使ったのはどんな手帳ですか?
◆高校生の頃
ミッフィーのキャラクター手帳。月間、週間ブロックの小さめのサイズでした。
◆大学学部生の頃
自作手帳。文庫本のノートに、月間ブロックと、エクセルで作った時間割を貼り付けて使っていました。
かなり分厚くなってしまうのが難点で、持ち運びしていたのですが、PCも本も教科書も持たなくてはならないし、いつも大荷物でした。
◆療養中
ほぼ日手帳weeksに出会いました。月間ページ以外は自分の気持ちの吐き出し場所として日付を無視して使いました。
◆修士の学生の頃
ほぼ日手帳weeksとカズンを使いました。カズンの1日1ページにはPCなどで書いた長文の日記を貼り付けていました。
◆博士課程になってから
ほぼ日手帳オリジナルを使っていた時期もありますが、最近はトラベラーズノート(レギュラー、パスポート両方)、ジブン手帳、星ダイアリー、MDノートダイアリー、ムーンプランナーなどを試しました。1年で使ってみたい手帳をいくつも試してみた結果、今の形に落ち着いてきました。
―手帳選びで失敗したことはありますか?
購入して、途中で使うのをやめてしまった手帳もありますが、どちらかというと失敗だったと思っていることは少ないです。どうしてかなと思ったのですが、多分、本命の手帳購入前にノートで試行錯誤してから購入しているからかなと思います。
試行錯誤のノートは、その手帳とサイズを揃えたノートに大体の中身を線で書いて、自分の書きたいことが1日のスペースに全部書けるかとか、使い勝手とか、厚みはどうかなとかをお試ししていました。例えばトラベラーズノートパスポートを試す時には無印のパスポートメモを使って、自分で線を引いて、1週間から1ヶ月くらい試したりしています。
お試ししてから購入しているので、満足度が高いのだと思います。紙質やペンにはそこまでこだわりがないので、使いやすい手帳だったら、この紙だから裏抜けないこのペンを使おうかなという感じで、手帳に合わせた道具選びをしています。
―貴方の手帳を使う目的は何ですか?
自分を前に進めるため。
今の課題は論文の完成なので、そのために手帳で計画立て、実行チェック、振り返りをしていると思います。
私の手帳は泥臭く、地道にやってきていることの積み重ねなので、デコレーションいっぱいで好きなことを思いっきり書くキラキラ手帳とは全く真逆ですが、今はこれでいいのだと思っています。キラキラ手帳も憧れではあるので、作ってみたいのですが、今はまだその余裕がないので、時間ができるまで気長に待ってみようと思っています。
―手帳をいつ開きますか?
基本は朝ご飯の後と夜の夕飯の後です。
ですが、ログのページは机に開きっぱなしにしていて、その都度書き入れています。開きっぱなしにできず、移動や外出が多い日には、レシートや撮った写真の時間を参考にしています。
朝の手帳は、その日の予定とタスクチェック、夜の手帳はログのまとめ直しです。
―どんな風に手帳を使っていますか?
私の手帳の書き方のシステムから説明させてください。
私の手帳は基本的に2段階方式です。情報を上から順にただ記録するだけのINBOX的な手帳と、情報を活用できる形にまとめ直した手帳の2冊を使っています。
◆ほぼ日手帳weeks MEGAの使い方
母艦はweeks MEGAで、これ一冊でバレットジャーナル方式に予定・タスク管理、ログの記載を行なっています。
月間と週間ページは予定とタスクの管理
後ろのメモページはデイリーログで、日付とログ、毎日のタスクの書き出しに使っています。
◆MDノートの自作手帳の使い方
ただ、バレットジャーナルの基本の書き方でデイリーログを書いていると、情報はたまってはいきますが、活用できる形にはなっていません。そこで、デイリーログからまとめ直した手帳がMDノートの自作手帳です。
MDノートには月間ブロック、月間バーチカル、週間バーチカル、週間レフト、月間の振り返りを記録しています。
月間ブロックにその日の簡単なしたことの記録
月間のバーチカルで睡眠時間や勉強時間の変化について確認
週間バーチカルは細かいその日の記録
週間レフトには体調、ほめ日記、一言日記、Twitterの呟き記録、週間と月間の振り返りを記録しています。自作MDノートはライフログの集約庫といった感じです。
◆トラベラーズノートの使い方
バレットジャーナルにはコレクションという、自分の好きなまとめページを作ることができるのですが、weeks MEGAのメモページはデイリーログでいっぱいになってしまうため、コレクションは別のノートに作っています。それがトラベラーズノートのレギュラーとパスポートサイズの両手帳です。
こちらも二段階で使っていて、レギュラーは自由にメモ書き、INBOXとして使い、パスポートにまとめ直しをしています。
残す情報はパスポートにまとまっていることになります。パスポートにまとまっているコレクションとしては、学会持ち物リストとか、元気になれる言葉リスト、うつの対処法なんかがあります。
一方でレギュラーに書いていることは本当に自由で、何ページもブレインダンプに使っていたり、タスクの書き出しやブログの下書きに使っています。
◆ムーンプランナーの使い方
ムーンプランナーはやりたいことリストとそれに基づいた計画立て、そして実行と、振り返りを行う、いうなれば私の手帳さんたちの司令塔の役目を担ってくれている大事な手帳です。
こちらは月の満ち欠けに合わせて見直すので、月間と週間のキチキチしたしばりから少し抜けられる感じがとても良いです。
―手帳に使っている主な筆記用具は何ですか?
weeksとMDノート、ムーンプランナーにはjuice up 03の黒を使っています。書きごごちがサラサラで、細いのに滑らかなところが気に入っています。
トラベラーズノートにはカクノでカートリッジインクを使って書いています。
筆記具はがま口屋さんのあやのこうじさんのポーチに入れています。基本的に持ち歩かないです。持ち歩くものは基本的にはweeksとjuice up 03黒だけのことが多いです。
―手帳のことで悩みはありますか?
悩みはあまりないと思いますが、強いていうと、せっかく情報をためているのだから活用したいということでしょうか。
日記としてそのまま書きっぱなしで置いておくのも、それはまた違っていいものだと思うのですが、私は未来に向けて持っている情報を活用したいと思っているので、たまっていくライフログ情報の活用をもっとうまくできないかなと思っています。
来年からは今年参照頻度が高かった手帳のページを参考に、デジタル化して活用できないかを試す予定です。
―手帳を使うコツや楽しみ方はありますか?
楽しんで書けるに越したことはないのですが、疲れすぎたり、体調不良だと手帳が書けなくなることが多いです。そんな時でも書くことと書く場所を決めておくと、迷わずにそれだけを記載して、時間も短時間で済むので、書くことのシステム化はおすすめです。
それから、書けない日々が続いていても、白紙ページの後からまた再開すれば大丈夫です。私も日付シート貼っただけのページも結構ありますし、毎日書かなきゃというプレッシャーを感じるよりも、またやろうかなと思った時に気軽に再開できる気持ちでいる方が楽に書けると思います。
とはいえ、楽しむためだけの手帳、ノートも作っています。それがMDノート新書サイズの写真日記です。
日付シートと毎日一枚の写真、簡単なコメントで構成しているのですが、写真はだいたい食べたものだったり、そもそも写真を撮らない日があったりと自由に楽しく書いています。見開きで一週間分ですが、写真1枚しかない週もあります。この写真日記だけは楽しくをモットーに続けているので、これまでのページを見ると、よかったなと思えます。
―「手帳を使っていて良かった!」と感じた出来事はありますか?
出来事ではないのですが、とにかく手帳に何かしら書いてきたから、全部忘れてまっさらな自分でも大丈夫だという安心感があります。
うつになってから、心配なことや自分の鬱々した気持ちをたくさん手帳に書くようになりました。PCやケータイで書き出すこともあったのですが、最終的にはプリントアウトして手帳に貼り付けています。たぶん、うつの病状の経過と心の変化の全てをぶつけてきたのが私の手帳です。
そういう風に手帳が常に傍らにあったので、今の自分への道のりが手帳という形で可視化されることで、私がここにこうして在ることを肯定できる気がします。見返さなくても、あの頃のことはもう過去として手帳が保持してくれていて、そこが通過点として在ったのだなとわかるからです。
必要があれば見返すこともあると思いますが、その意味では過去の手帳はもう今の私からは離れていて、今の私にとって必ずしも必要なものではなくなっています。だからこそこれからはマネージメントできる今と未来に目を向けていきたいと思うのです。
―ズバリ!貴方にとって手帳とは?
自分の分身です。
日記や記録はその人が生きた証を残すことなのだと主治医から聞きました。
私にとっての手帳はとにかく自分のいまを記録して、現在地を確認するためのものだと思います。夢を叶える手帳術などもありますが、結局夢を叶えるのは自分自身です。私はいまの自分を知るために手帳を使っているのだと思います。
藍玉より
あんずだいふくさんの「過去の手帳はもう今の私からは離れていて、今の私にとって必ずしも必要なものではなくなっています。だからこそこれからはマネージメントできる今と未来に目を向けていきたいと思うのです」の言葉が心に響きます。
過去のつらい記憶に振り回される時間がもったいない。前を向こうと思えた日から、見える世界が変わってきます。まだくじけそうになるときがあるけれど、それも通過点のひとつ。あんずだいふくさんの言葉を読んで、確実にたくましくなっている自分を誉めてあげたいと思いました。あんずだいふくさん、ご回答ありがとうございました!
最後まで読んでくださってありがとうございます。
今日も笑顔がひとつ増えますように。
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