手帳の使い方インタビュー第87回目はおりひかさんです。2017年の手帳は、システムダイアリー、モレスキン、システム手帳、能率手帳ゴールド、LEATHER IMAGE ツイストノート、ロイヒトトゥルム1917、A5スリムノートに決めたそう。おりひかさんに手帳の使い方や楽しむコツなど活用法を教えていただきました♪
おりひかさんのプロフィール
- HN:おりひか いくおさん
- 年齢:50代
- 仕事:会社員
- おりひかさんのTwitter
―おりひかさんの自己紹介
こんにちは、おりひかいくおと申します。昔から手帳が好きで、生活に欠かせない道具として、また嗜好品として、愛用しております。
手帳好きが高じて2006年に「鷺ノ宮八穴手帳倶楽部」というグループを立ち上げ、手帳情報サイトの運営やオフ会開催をしたり、他の手帳オフ会に参加したりし始めました。2010年からは日本手帖の会に参加し、自分も楽しみながら、多くの人が手帳を楽しめるよう企画を行っています。
おりひかさんの『手帳の使い方』は?
―では、インタビューのスタートです。2017年の手帳は何を選びましたか?
1.システムダイアリー
1.1 バインダー:スタンダードバインダー 1,800円
1.2 スケジュール:C-1A マンスリーメモランダム 600円
1.3 その他:手持ちリフィル・パーツ等
2.モレスキン カイエ ポケット 1,080円
3.LEATHER IMAGE ツイストノート A5 1,400円
4.A5スリムノート各種
4.1 Keep a Notebook 多功能紙書衣 230NTD
4.2 Keep a Notebook 06 旅遊筆記 65NTD
4.3 Keep a Notebook 04 横方筆記 65NTD
4.4 トラベラーズノート 月間フリー 600円
4.5 トラベルメモリーズノートブック 100円
4.6 その他:手持ちノート・パーツ等
5.ロイヒトトゥルム1917 ノートブック ポケット 2,160円
6.NOLTY 能率手帳ゴールド 6,264円
7.バイブル6穴システム手帳
7.1 バインダー:ASHFORD プレスコット コーチマンジャケット 3,600円
7.2 レジェンド石井式リフィルストッカー:自製
7.3 その他:手持ちリフィル・パーツ等
※購入場所
・G.Itoya:7.1
・THE 100 STORE・中目黒店:4.5
・東急ハンズ・新宿店:2.、3.
・トラベラーズファクトリー・中目黒店:4.4
・丸善・東京丸の内OAZO店:1.1、1.2、6.
・ロフト・有楽町店:5.
・金石堂書店・台北城中店:4.1、4.2、4.3
―『システムダイアリー』『モレスキン カイエ ポケット』『LEATHER IMAGE ツイストノート』『A5スリムノート』『ロイヒトトゥルム1917 』『能率手帳ゴールド』『システム手帳』に決めた理由は?
◆1.システムダイアリー(メイン手帳)に決めた理由
決め手は、絶妙なサイズと、長年の愛用です。
中学生時代からバインダーと中身を入れ替えつつ愛用しています。日本独自の8穴式バインダーで、シャツのポケットにも入る小ささと、バインダーに限りなく近い筆記面積を持つ、絶妙なサイズです。
◆2.モレスキン カイエ ポケット(サブ手帳)に決めた理由
決め手は、システムダイアリーとの連携する使い方を思いついたことからです。
システムダイアリーと同寸で、後半ページはミシン目付きのため、残したい情報を後半、雑メモは前半に記載する運用をしています。1冊使い終わったら、後半は切り離してパンチで穴をあけシステムダイアリーのバインダーに綴じて保存し、前半は不要となります。この運用で約10年使用しています。
◆3.LEATHER IMAGE ツイストノート A5(タスク手帳)に決めた理由
決め手は、A5縦正寸サイズ、平らに開き360度折り返せるカバー、リフィル・パーツが着脱可能な綴じ具です。
仕事の議事メモや各種講演イベントでのノート取りには、A5サイズが最適と考えています。リングノートと同様に「平らに開き360度折り返せる」上に、中身が着脱可能という点で、綴じノートや普通のリングノート、ルーズリーフ、A5バインダーシステム手帳等と比較して、非常に便利です。
ダブルリングノートで採用されている1/3インチ間隔穴と共通のため、純正リフィル・パーツ以外に、ダブルリングノートを分解してリフィル・パーツ取りできるのも、発見とカスタマイズの楽しみがあります。
◆4.A5スリムノート各種(趣味手帳)に決めた理由
決め手は、手帳イベントで台湾に訪れた際に偶然Keep a Notebookに出会い、A5スリムサイズを再発見、興味を持ったことからです。
A5スリムサイズの手帳自体以前から把握していましたが、特段使用していませんでした。2015年に台湾で手帳イベントを行った際、会場の金石堂書店で新製品のKeep a Notebookに出会いました。
多功能紙書衣はクラフト紙製の手帳カバーで、自分で組み立てるキット形式なのがとても気に入り、自分でもいくつか組み立てた他、組み立てワークショップを行うなど他の方にもおすすめしています。
A5スリムサイズに興味を持ったため、トラベラーズノートやセリアのノート、その他製品の情報を収集したり購入するようになりました。
◆5.ロイヒトトゥルム1917 ノートブック ポケット(趣味手帳)に決めた理由
決め手は、単純にモノとしての質感が好きだからです。
◆6.NOLTY 能率手帳ゴールド(趣味手帳)に決めた理由
決め手は、長年の憧れの手帳という点です。
「手帳」というものに興味を持った理由の一つに、小学生時代に「能率手帳」の存在を知ったことがあります。能率手帳は普及版を一時期使用していたのみですが、近年手帳オフ会等に参加するようになってからゴールド版の存在を改めて知り、いつか購入しようと考えていました。
◆7.バイブル6穴システム手帳(趣味手帳)に決めた理由
決め手は、角背の佇まいと、三つ折り収納付きカバーの機能性です。
長年システムダイアリーを愛用しており、1980年台の第2次システム手帳ブームでfILOFAXをはじめとするバイブル6穴サイズが隆盛した際も、特に食指は動きませんでしたが、2016年にG.Ityaで行われた手帳イベント「ASHFORD LOUNGE」でプレスコット コーチマンジャケットを見て気に入り、そこからバイブル6穴手帳も使い始めました。
本バインダーは収納を中心とし、リフィルへの筆記にはリングを気にせず書ける「レジェンド石井式リフィルストッカー」(レジェンド石井さん考案の、リフィルを簡易製本して持ち運ぶための自作カバー)を使用しています。
―過去に使ったのはどんな手帳ですか?
◆名称不明のリングメモ(幼少期)
実家で発見された「もっとも古い使用手帳」です。当時見たTV番組を参考に「自分で考えたかっこいいメカ」を描く用途に使用していました。
単なる落書き帳ではなく、「1件1頁」「通し番号を振る」といった手帳としての使い方をしていたので、発見した際は自分でもおどろきました。
◆能率手帳(小学生時代)
当時、「手帳」というアイテムはTVドラマや映画でみる「警察手帳」「探偵手帳」といった憧れのアイテムでしたが、書店販売されている能率手帳の存在に気づき、憧れから購入しました。
1年分の時間軸があらかじめ用意されており、時間単位で予定を記録することができるという機能(概念)に衝撃を受けました。但し、1頁も記入することなく終わりました。
◆生徒手帳(中学生時代)
生徒証、校則便覧を主とした旧来の生徒手帳です。学校から手帳が支給されたことに非常に喜びを感じました。中学生になったからには手帳を活用しようと、スケジュール欄には学校行事・遊興予定の他に各種記念日等を調べて記入したり、アドレス欄は友人の連絡先で埋め尽すなど、隅々まで使いました。
◆システムダイアリー(中学3年~現在)
卒業祝いに高級文具を買ってもらえることになり、訪れた新宿紀伊国屋別館の文具売り場で、万年筆ではなくシステムダイアリーを選択しました。バインダーとリフィルを選ぶのに1時間位かかった記憶があります。
中学校卒業旅行に友人と行くことになり、その計画や記録に早速活用したのをはじめ、高校・大学・社会人(2006年位迄)時代はシステムダイアリー1冊を愛用しました。バインダーは数年毎に、リフィルは随時入れ替えながら、現在に至ります。
◆モレスキン クラシック ポケット(2004年~現在)
日本上陸数年後に気になる手帳として購入しました。当初は、とあるコミュニティで主催している宴会の参加記録帳として使用していました。
2006年位から手帳オフ会に参加するようになり、同時にその他趣味でもオフ会・イベントに参加する機会が増加したのを契機に、主催以外の催しも含めた記念寄せ書き帳として運用するようになりました。当初は年1冊、最近は年2冊使用します。
モレスキン クラシック ポケットの一通りのフォーマットを使用し、カラーバリエーションや限定版なども気になるものは使いつくして飽きてきたので、最近は同サイズの他の手帳に切り替えています。
◆EDiT IDEANOTE(2016~2017)
もともと、仕事上でのアイデア整理・思考整理のために、職場ではニーモシネ A4横・5mm方眼を使用していました。アイデアや思考を広げてまとめるには横長の紙面が適しており、数年にわたり愛用していました。
ここ数年は、手帳関連活動を中心に、仕事以外でもアイデア整理・思考整理を行う場面が増えたため、そちら専用に1冊増やそうと考えました。仕事用と異なり持ち運んで使用する場面が多いため、一回り小ぶりなEDiT IDEANOTEが丁度良いと思い、使用しました。2018年は継続するか別のノートにするか検討中です。
◆その他
各種手帳を期間限定で試用し、使い方確認・研究しています。
―手帳選びで失敗したことはありますか?
特にありません。
まず基本のメイン手帳は、システムダイアリーを長年継続して愛用していますが、生活のリズムの変化(学校生活や、社会人としての仕事の忙しさなど)に応じて、スケジュールリフィルを変えたり筆記方法を工夫するなど、カスタマイズを続けています。
その他の手帳は補助の用途で、使い方が合わなかったり飽きたりしたらやめるだけで、「失敗した」と感じたことはありません。
また、手帳は道具であり本来は「目的達成のための手段」ですが、手帳を「モノ」として手に入れたくなる場合は、その手帳で達成すべき目的は当初は存在しません。その場合はまず入手し、あとから使用目的を考える「手段のために目的を創りだす」ようにしています。もちろん、ただ所有してコレクションとして楽しむ手帳も多数存在します。
―貴方の手帳を使う目的は何ですか?
大きくまとめると、次の3点になります。
・スケジュールを一望する
電子手帳・PDA・スマートフォンとデジタル機器が進化するにつれ、紙の手帳ではなくデジタル機器でスケジュール管理すうる人が増えています。他人との共有、ネットと連携したスケジュールデータの入出力、リマインド機能など、デジタルならではの優位点があり、私自身も活用していますが、1ヶ月~1年といった期間のスケジュールを一望する見通しの良さは、まだ紙の手帳に優位点があると考えています。
・アイデアを考え記録する
日々の活動の中で浮かぶアイデアを、極力漏らさず記録するには、紙の手帳が最適です。
文字・図表を組み合わせ、即座に記録し、書きながら思考してアイデアを広げるためには、紙の手帳がどうしても必要です。
・手帳自体が目的
上記は、それぞれの目的のための手段として手帳を使うということですが、「モノ」としての手帳を所有し使用すること自体を楽しみたいという「手帳趣味」志向があり、手帳を使うこと自体が目的となります。
そのため、欲しい手帳を入手した後で使用目的を考える「手段のために目的を創りだす」場合や、ただ所有してコレクションとして楽しむ場合があります。
―手帳をいつ開きますか?
メイン手帳のシステムダイアリーとサブ手帳のモレスキンカイエは、出勤したらすぐに開き、業務時間中は常に記入・参照します。その他の手帳は、必要な時に適宜開いて使用します。
―どんな風に手帳を使っていますか?
◆1.システムダイアリー(メイン手帳)の使い方
スケジュール管理を中心に個人的に最も利用する情報を記入しています。出勤後、すぐにキーボードの左に置き、スケジュールの確認や記入を頻繁に行います。
スケジュール管理はデジタルツールも利用しており、仕事関係は職場のグループウェアで共有、個人関係はスマートフォンのスケジュールアプリで記入します。それらの情報は、メイン手帳にも転記しています。
◆2.モレスキン カイエ ポケット(サブ手帳)の使い方
この手帳は中綴じ形式で、後半はミシン目入りで切り取れるようになっています。
そこで、1冊の手帳を
・先頭から後へ
・末尾から前へ
・中央から前へ
・中央から後へ
と4つに区分して使用しています。
先頭から後へは、雑メモの記入に使用します。電話のメモ、今やるタスクで必要な数字、後で調べるキーワードなどをどんどん気軽に記入します。筆記については後述するようにカラーボールペンを使用します。
中央から前へは、タスクの一次記入に使用します。メール、電話、会議等で発生したタスクを一次記録していきます。
中央から後へは、直近に必要な連絡先のメモに使用します。社内関係者や顧客、製品サポート、公共施設、宴会場の電話番号などは、ここにまとめてメモします。
末尾から前へは、アイデア・ノウハウメモに使用します。思い浮かんだアイデアやちょっとした調べ物を記録する場合、1件1頁(基本的に右頁のみ)で記入します。
サブ手帳を1冊使い終わったら、後半頁をミシン目で切り離してパンチで穴をあけ、システムダイアリーのバインダーに綴じて保存し見返したり、ケースに収納して情報カードのように集積・活用します。
◆3.LEATHER IMAGE ツイストノート A5(タスク手帳)の使い方
バレットジャーナルとGTDを参考にしたタスク管理に使用しています。
ほとんどのタスクはメール経由で発生するので、メールシステムがインボックスとなります。これを仕分けして「すぐやる」「不要」「単なる情報」を除いたタスクを当月のタスクリスト頁に記入します。プロジェクト別・テーマ別のタスクリスト頁が既にある場合はそちらに記入し、なければ新設します。あとは、独自のブレットマークで状況管理を行います。
◆4.A5スリムノート各種(趣味手帳)の使い方
◆4.2 Keep a Notebook 06 旅遊筆記と4.3 Keep a Notebook 04 横方筆記の使い方
この2冊は、旅ログ用です。
Keep a Notebook 06 旅遊筆記は、比較的長期の旅毎に1冊使い、行程、経費、感想のメモやスタンプ捺印などに使用します。
Keep a Notebook 04 横方筆記は、日帰り等の際に数ページ使い、上記の縮小版のように使用します。
◆4.4 トラベラーズノート 月間フリーの使い方
手帳関連のアイデア帳です。
月間フリーの升目を利用し、1日1件アイデアを記入します。アイデアの種類は催事、資料、製作、その他で、すぐできそうなものから荒唐無稽な妄想まで、とりあえず記入します。これらのアイデアは、仕事中に湧きあがることが多く、すぐさまこちらに記入して一旦忘れ、後で熟考するようにしています。
◆4.5 トラベルメモリーズノートブックの使い方
現在は2冊使用しています。1冊はテープ帳として、マステを購入したら絵柄1単位分を貼ります。
もう1冊はラベル帳として、土産菓子などの商品ラベルを貼り、コレクションしています。
◆5.ロイヒトトゥルム1917 ノートブック ポケット(趣味手帳)の使い方
イベント参加記念寄せ書き帳として使用しています。
自分主催のイベントの場合は感想・意見を聞くため、また人の顔と名前を覚えるのが苦手なのでその補助手段とするため、記入をお願いしています。
◆6.NOLTY 能率手帳ゴールド(趣味手帳)の使い方
憧れから購入したものの、スケジュール管理はメイン手帳で行っているため当初は特に用途がなく、1日1件気になる一言を記録するようにしてみました。2017年の1年間試して中々良かったので、2018年も継続予定です。
◆7.バイブル6穴システム手帳(趣味手帳)の使い方
◆7.1 バインダー:ASHFORD プレスコット コーチマンジャケットの使い方
まだ用途を検討しながら育て中の手帳です。
現時点では収納を中心に使用しています。カードポケットリフィルを数枚バインドし、常備薬・便利ツールを収納しています。
また、別途情報を筆記したリフィルの内、常時持ち歩きたいものを厳選して収納しています。
◆7.2 レジェンド石井式リフィルストッカーの使い方
バイブル6穴リフィルの筆記用に使用しています。こちらに簡易製本でストックしたリフィルに情報を記入して、残したいものは切り離してバインダーに収納します。
―手帳に使っている主な筆記用具は何ですか?
◆.Too コピックマルチライナー0.03mm
メイン手帳・システムダイアリー用に使用しています。
システムダイアリーのコンパクトな紙面に多くの情報を記載するため、いわゆるミリペンの中でも随一の細さのこのペンを選んでいます。
◆三菱鉛筆 ユニボールシグノ 0.28mm
サブ手帳・モレスキンカイエの雑メモ用に使用しています。
雑メモはいずれ捨てるもので、その場限り短期利用となるため、視認性を高めるためにカラーボールペンで1項目毎に色を変えて記載しています。
以前はHI-TEC-Cを使用していましたが、筆圧が高いせいかすぐ使えなくなる問題があり乗り換えました。また、色種として、心理四原色の赤青黄緑を揃えて使い分けたいと考えていますが、「読める黄色」を持つカラーボールペンは少なく、シグノのゴールデンイエローが読みやすかったため採用しました。
◆パイロット Vコーン
各種手帳の速記メモする場合や、しっかりした筆記線にしたい場合に使用しています。
北海道大学でフィールドワークを行っていた友人に「北海道の吹雪の中で筆記性が落ちない稀有な存在」と聞き試したところ、インクフローが良く、書き出しからかすれなく書ける点が気に入り使用するようになりました。
議事録を手書きメモする場合や、手持ちでメモ用紙1枚に書く場合、およびしっかりとした筆記線にしたい場合等に使用します。
◆ゼブラ SHARBO X 0.7mmシャープ
各種手帳でアイデアのラフスケッチをする場合に使用します。
文字・図ともに、考えながら次第にまとめていくため、濃淡が付けられる黒鉛芯の筆記具で、やや太目の0.7mmを選択。必要があれば消して修正しますが、単に上から濃く書いていく事も多いです。
プレスマン0.9mmシャープを使用していた時期もありましたが、ある程度重みが欲しいためSHARBO Xが発売されてからはこちらに切り替えました。3軸のものを使用していますが、他の2軸はほとんど放置状態です。
◆三菱鉛筆 ユニボールシグノ RT1 0.38mm
◆DELETER NEOPIKO-Line-3
各種手帳にアイデアメモを記入する場合等に使用しています。
アイデアメモは後で活用することを前提にある程度しっかりと書きたいため、黒ペンで書き味が好みのこれらを適宜使い分けています。これらのペンで書いたものは、他人に見せたり、情報カードとして残したりすることが多いです。
―手帳のことで悩みはありますか?
愛用の手帳が手に入らなくなる可能性、というのが悩みです。
長年愛用しているシステムダイアリーは2018年で50周年を迎えるロングセラー製品で、メーカーも「供給を継続することが使命」と表明しており、10年前までは手に入らなくなる可能性など考えたことはありませんでした。
しかし、2007年~2012年頃に「手に入らなくなる可能性」を感じることがありました。
システム手帳全体が一時の勢いを失っていること、2007年のリーマンショックの影響で値上げを余儀なくされたことに加え、創業社長が90歳を超える老齢となりいよいよ会社終結という状況だったことを後に知りました。当時は、なんとなく取扱店が少なくなっているなと感じていました。
その後、まるで小説のような出来事があり奇跡的に現社長への事業受け継ぎが行われ、新製品開発も行われる状況へと持ち直しました。
数年毎に手帳を変えるような使い方ならあきらめもつきますが、中学時代から愛用しているメイン手帳がなくなるという場面に遭遇し、どう対処して良いか戸惑いを覚えました。
そのような経験から、単に手帳を使うだけでなく、壊れていなくても新品を購入する買い支えを行ったり、他の人に良さを伝えてユーザーを増やしたり、ネットでコミュニティを作ったりという活動を行うようになりました。
―手帳を使うコツや楽しみ方はありますか?
とにかく気軽に書くということがコツであると考えています。
日々多くの思考・アイデアが頭をよぎりますが、記憶に頼るとすぐに失われてしまします。
様々な思考・アイデアを書き出すことで、自分で記憶していなくても情報を失うことがなく、さらに次の思考・アイデアを生むための基礎とすることができます。そうして、次々と思考・アイデアを生むことができたとき、非常に喜びを感じます。
「気軽に書く」を実践するために、個人的には「気軽に書く場所をつくる」という工夫をするようしました。
私自身もそうですが、手帳を愛用する方は手帳が「モノ」として好きという方も多くいらっしゃいます。モノとしての愛着があると、「絶対に間違えたくない」という心理が働き、書くことを躊躇してしまう場合があります。
そこで「気軽に書く場所」として、雑メモなどを書く場所を別手帳に分離したところ、未確定な事柄、まとまっていない事柄を気軽に書けるようになり、結果的にアウトプットが増えました。
元々、メイン手帳がシステム手帳なので、当初は雑メモも混在させ不要になったら外せば良いと考えていたのですが、雑メモを書く機会が増えた際、手帳の中の不要なメモの割合が増えて目障りだったり、頻繁にシステム手帳の中身を入れ替えるのが手間とも感じていました。
この問題も、雑メモを別手帳に分離することで解消しました。
―ズバリ!貴方にとって手帳とは?
活動の原動力であり、人生の相棒です。
藍玉より
「昔から手帳が好きで、生活に欠かせない道具として、また嗜好品として、愛用しております」とおっしゃるおりひかさん。ご回答を読んでいると、まるで手帳の博物館にいるような気分です。幼少期からの長い歴史があって、今は多数の手帳を愛用していらっしゃるのですね。
幼少期のリングノートは「単なる落書き帳ではなく、『1件1頁』『通し番号を振る』といった手帳としての使い方をしていたので、発見した際は自分でもおどろきました」の言葉を読んで私も驚きました!さらに憧れから小学生で能率手帳を購入し、生徒手帳に非常に喜びを感じるといった経歴に驚かされました。自分の子どもの頃を振り返ると、手帳に喜びを感じた記憶がありません。人によって目に留まるものが違い、感じ方も違うんだなと思いました。さすが、おりひかさんです♪
長年愛用している手帳が手に入らなくなってしまうかも……という不安から、おりひかさんは「壊れていなくても新品を購入する買い支えを行う」「他の人に良さを伝えてユーザーを増やす」「ネットでコミュニティを作る」という活動をしていらっしゃいます。一歩先をいく活動に感銘を受けました。私も愛用している手帳に感謝しつつ、何か貢献できないか改めて考えたいと思います。
おりひかさんが所属されている日本手帖の会のTwitterはこちらです。
>>日本手帖の会 Twitter
おりひかさん、ご回答ありがとうございました!
最後まで読んでくださってありがとうございます。
今日も笑顔がひとつ増えますように。
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